アメリカでは、ホームスクーリングが認められています。
ホームスクーリングとは、子供は学校に通わずに、家で親や家庭教師から勉強を学ぶ制度です。
日本では考えられない制度ですが、アメリカでは平均して約3%の割合でホームスクーリングだそうです。
初めてこの制度を知ったのは、通っていた大学の教授から「日本人を探している人がいるので会ってもらいたい」と連絡を受け、お会いしたご家庭がホームスクーリングをされていました。
7歳くらいと5歳くらいの男の子を持つお母様でした。
子供達に異文化を教えているところで、日本の何かを教えてもらいたいと。
もちろん快諾しましたが、当時の私は右も左もわからない大学生です。
学校に通わなくてもよいなんて、衝撃を受けました。
ホームスクーリングは、州ごとに規制が異なります。親や保護者が届出を出したり、カリキュラムを提出したり。逆も然り、このような事をしなくても良い州もあるという事です。
私がお会いしたご家族は、お母様がきちんと子供達に教育を与えている方だったのでしょう。子供達も突然アジア人が家に来ても物怖じせず、積極的に話しをしてくれました。
一方で、ホームスクーリングの届出を出して、子供に教育を与えない家庭もあります。そのような家庭で育つ子供たちは、同年代の子どもと触れ合う機会が少なく社会性に乏しくなります。
届出を出したとしても、親の教育水準の問題もありますね。親の知識が狭い場合、それがそのまま子供に受け継がれてしまいます。
また、以前ご紹介したTurpin一家もホームスクーリングでした。ホームスクーリングと称して、13人の子供を監禁、虐待していたのが10数年間もバレなかったのは、この制度の欠陥ですね。
アメリカではilliterate(読み書きが出来ない人)が意外に多いです。こちらのリンクの2022年の統計では、21%の大人がilliterateだったそうです。
社会人になって、ホワイトカラーとブルーカラーがいるオフィスで働いていたことがあります。当時、ブルーカラーの3分の1くらいの割合がilliterateで、驚いた事がありました。
平準化されている日本の教育を受けていると、アメリカの状況に気づかない事が多いです。
問題点ばかり書いてしまいましたが、ホームスクーリングでも、良い点はたくさんあります。
歌手のChristina Aguileraもホームスクーリングで教育を受けました。
学校に通いながら子役としてミッキーマウスクラブで活躍していた彼女は、いじめの標的になってしまいました。そこで彼女の母親がホームスクーリングに切り替えたとのこと。今ではグラミー受賞、会社経営など、パワフルな女性になりました。
Taylar Swiftもホームスクーリングで教育を受けました。彼女の場合は、芸能活動が忙しすぎて普通の学校に通う暇がありませんでした。仕事の合間にホームスクーリングで教育を受けたというわけです。
どちらもホームスクーリングをフレキシブルに活用した良い例です。
世界的に見て平均値が高い日本の教育が良いのか、強者と弱者が両極端のアメリカの教育が良いのか、考えさせられますね。